2025: Japan's Indie Rock Scene


Tjiros(T字路s)

   Saki Arita(有田咲花)

  Mai Mishio(見汐麻衣)

  mmm 


Sunnyday Service

  Shuta Hasunuma(蓮沼執太)

  SaToA

  Gusokumuzu

  Yakobu Tanaka(田中ヤコブ)

  Yukiguni(雪国)

  The Fin.

  KINA.

  Eikichi Yazawa(矢沢永吉)

  Who Do You Love

  John no Son(Son of John)

 

LEO


Misaki Umei 梅井美咲



U-zhaan



Haru Nemuri 春ねむり


Mei Ehara


She Her Hers


YeYe



CRCK/LCKS


Sara Wakui



TESTSET


Mioko Ymaguchi


Kurayamizaka yori ai wo komete





  modal JazzからPrgressive rockまで呑み込む音楽性。Khakiはimmersive rock bandを名乗る。その名の通り、私たちは、彼らの世界観に、どこまでも沈み込んでいきそうだ。セカンド・アルバム「Hakko」は「shine a light」を意味する。音楽の行く末を照らす一筋の閃光。
  Khakiは Velvet undergroundのカバーから始まって、90年代行のインディーロックにも影響を受けた。メンバー5人全員がそれぞれ作曲している。Rolling Stone Japanに語るように、彼らはジャズ、クラシックから最近のロックまで引用元を隠していない。

  「夢遊病」という曲は、King Krule「Border Line」のギター・リフの繰り返しをイメージ。
「かれら」という曲は、Men I Trust「Billie Toppy」を参照したという。
「Winter Babe」は、Pavement「Summer Babe (Winter Version)」から。

  クールな音楽を貪欲に取り込んでいく一方で、彼らは、日本の前衛的なロックバンド、例えば、Moonriders、たま、Unicorn等の系譜に位置するバンドではないだろうか。こういったロックバンドが、日本の伝統的な音楽と、XTCのような海外のロックを組み合わせて演奏したように、Khakiもまた、日本人のメロディーを、海外の最新のロックに乗せている。
  いつだって、新しい音楽の形は、伝統的な音楽と、世界中の最新の音楽の相互反応で生まれてくる。


八十八か所巡礼(88kasyo Jyunrei) YouTube ”脳騒曲(Nosokyoku)”

 The Dresscodes YouTube "Misfits"



Kuunatic(クーナティック)YouTube”Kuuminyo (feat. Rekpo) ”




Oozaora Kimishima(君島大空)


Takuro Okada(岡田拓郎)


Yuta Orisaka(折坂悠太)


Ichiko Aoba(青葉市子)YouTube"SONAR"


Gen Hoshino(星野源)YouTube”Star”


TOWA TEI


Skrew Kid YouTube"Ginger"


神聖かまってちゃん(Shinsei Kamatte chan)  YouTube"Shinitai Himawari"


鈴木実貴子ズ(SuzukiMikiko's) YouTube"Akatsuki"



 
ART-SCHOOL『1985』 YouTube "1985"

 ART-SCHOOLの新作は、80年代、初期のU2やNew Orderの冷たい音像を意図したとか、オジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)やPrinceに憧れた少年の日を想い、かつ自身の音楽性としても原点回帰。Dinosaur Jr.にMy Bloody valentine、Smashing Pumpkins等に影響された青年の日がフラッシュバックする。正式音源が無かった「Outsider」をはじめ、セルフ・オマージュを感じる曲が目白押し。
 特にタイトル・チューンの「1985」は初期の代表曲「あと十秒で」のセルフ・リメイク感があって、しかも、途中、かすかに聞こえるギターのリフレインはまさかのリンドバーグ「今すぐKiss Me」を連想させる。木下君は同い年だからこの曲が大ヒットしたときは12才。たぶん、あと十秒→時間がない→今すぐ、という連想ゲームなのかも。そういう遊び心か、サンプリング感覚か、みたいなところからも良い意味での余裕とか、かつ本気度が伝わってくる。
 木下理樹に初期衝動ほとばしるアルバムを作ってこられると、世紀末前後の音楽、特にブランキ―ジェットシティの浅井健一とか、サニーディサービスの曽我部恵一とか、カジヒデキ、スネオヘアー、コーネリアスとかのリリースを、芋づる式に聴きたくなります。


 
Takanori Nishikawa


betcover!!


Yuransen

  Sozoryoku no chi



Kicell

 フォーク・デュオ、キセルが贈る、自然の生き物、守護霊、サムライ、そして愛についての神秘的な物語。

 自作の竹楽器を用いて、伝統的なフォークとオルタナティヴ・ロックを融合。この兄弟デュオは、母なる自然の中にある自分たちを見いだし、あるがままの精神を奏でる。

 以前もbeehypeで彼らの7枚目8枚目のアルバムを紹介したが、本作9枚目のアルバム・タイトル『観天望気』の意味は、自然現象や生き物の様子から天気を予測すること。すなわち、「自然の中で、他の生き物と共生する」ということが、おそらくアルバムの重要なテーマなのだろう。

 兄の辻村豪文がギターリフ、ドラムを担当。弟の友晴がベース・ギターと、自作の竹のフルート、竹のハープを奏でる。ゲスト・ミュージシャンの鍵盤がさらなる彩りを添えている。今回のアルバムでは、豪文は、300年前の江戸時代、サムライの時代の、憂いを帯びた音階(都節)をイメージして作曲したという。

 「私は知らない」を聴くと、現世も死後の世界も、人間の愛で成り立っていることが歌われている。それは仏教の宇宙観のように私は感じる。「春隣」という曲では、妖怪、お化け、守護霊が飛び出してくる。「壁画の頃」の歌詞は、マインドフルネスの精神を歌っているのかもしれない。

 江戸時代、日本人はまだ、あの世や妖怪、お化けを身近に感じ、日常的に接していたという。「縁歌」という曲からは、その江戸時代の小説『雨月物語』の一編「菊花の契」を連想した。



 「菊花の契」は、ざっくりいえば、はるか遠くの地で囚われの身になりながらも、義兄弟との約束を果たすために、自害して魂となって帰ってきたサムライの話である。「ある。けれどもない」「笑うために悲しむ」というような意味の歌詞が耳に入ってくる。まるで禅の公案のようだ。瞑想ないしマインドフルネスのための逆説的な問いかけ。

 『雨月物語』は、表向きは、お化け、妖怪があらわれる怪異譚であるが、深い魂の物語。崇高な愛についての物語でもある。一方でキセルの音楽は、自分自身を見つめ直し、あるがままの世界を受け入れるためのプロセスなのかもしれない。






 以上は、2025年初めて、半年ぶりにヨーロッパの友人が運営するブログに寄稿した文章です。名古屋のセントラルパークで、彼らのライブを観たことがありますが、彼らは自然が似合う。兄は、長野で農耕を営みながら音楽活動を続けて、弟は伝統楽器にあこがれて、竹の楽器を複数自作してしまうとか、自然ななりゆきだと思います。冒頭に使われているSEのような虫の音とか、祖父母の田舎で暮らした子ども時代を思い出して、とても身体になじむ音楽です。

 作曲で意識したという江戸時代の都節音階に加えて、耳に入ってくる歌詞の断片から、『雨月物語』を思い出しました。村上春樹が影響を公言している云々以前に、そもそも「蛇性の婬」を知らない日本人はいないでしょう? 「菊花の契」の登場人物をサムライと記したのは正確ではないけど、海外の人への伝わりやすさを優先。
 

 もっといえば、子どもの頃、古典の勉強になるからと親を騙して買ってもらった『マンガ日本の古典』、木原敏江による『雨月物語』、彼女による解釈は本当に大好きです。「蛇性の婬」に出てくる蛇神「真女児」を真剣に愛に殉じた女性として描いていて。その描写に素直に感情移入するか、原典に忠実ではない、ただの感傷だ、邪道だと切り捨てるかで、人類は二つに分けることができると切に思います。

 中学生の頃、古本屋で有名な漫画を買いあさった際にも、木原敏江の『摩利と新吾』、『夢の碑』シリーズはちょくちょく買っていて、後で気づきましたが、『摩利と新吾』には「菊花の契」オマージュの描写がありました。心理描写がとても深くて美しくて、今でいう愛着障害、複雑性PTSD、境界性パーソナリティーの心性を繊細に描いていました。彼女の絵柄を見るだけで、中学生の頃の思い出がよみがえって胸が痛みます。哀しいけど明るい物語。

 木原敏江は「花の24年組」といって、私が生まれるより前の人気少女漫画家の一人です。他に萩尾望都(『ポーの一族』)、山岸凉子(『日出処の天子』)、竹宮惠子(『風と木の詩』)、大島弓子(『綿の国星』)、青池保子(『エロイカより愛をこめて』)といった、そうそうたるメンバーがいて少女漫画家版トキワ荘的なのかな? 少し遅れてデビューした吉田秋生(『BANANA FISH』)を含め、彼らの作品は、私にとって、児童思春期の心性や、女性心理を考えるためのとても大きな土台となっています。

 『凍りついた瞳』を描いたささやななえも「花の24年組」ですが、この漫画の存在は10年ほど前に杉山登志郎先生が講演で、自身が出ている漫画として紹介されていて、存在を知りましたが、思えば、上述の漫画家の多くが、児童虐待をテーマにした作品を直接間接たくさん描いていたのです。

 本当に蛇足ですが、「花の24年組」筆頭、少女漫画/SFの神様、萩尾望都や、80年代ライトノベルの女帝、栗本薫、今でも四日市のメリーゴーランドで講演を毎年されている江國香織、ついでに秋元治や小林よしのりといった有名作家が、こぞって甲斐よしひろの話をしていたので、私の中で、日本のロックの原点は、永ちゃんでもサザンでもRCサクセションでも、ましてやはっぴいえんどでもなく、永遠に甲斐バンドだったりします。


 この曲がどうもSparksの「Never Turn Your Back On Mother Earth」オマージュだと気づいたのは、The Smithsのモリッシー来日公演の開演前にかかっていたからでした。
 他にもあえてなThe Clashオマージュなアルバム・ジャケットや、やりすぎなLou Reedオマージュ、XTC意識した曲などもあって、知れば知るほど、自分の音楽の好みの原点となっているようで。