Noteworthy Albums 2026



Augst

Cornelius
  

三輪二郎
  Sara Wakui
  Hi, how are you?
  CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN beehype

トロピカルな音の手触り、ポリリズム、ヴィンテージ感のあるラテン/カリブ系のパーカッション、シンセサイザー、そして日常の風景を切り取ったフィールド・レコーディング。CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINは、明るく遊び心に満ち、しかも強烈に身体的な音楽を作り出している。

デビュー・アルバム『tradition』から3年。彼らはセカンド・アルバム『Synthetic 海岸』を携えて帰ってきた。

ラテンアメリカ、インド、アフリカ、日本。それぞれの土地を想起させる音を素材に、3人は電子音、パーカッション、フィールド・レコーディングを組み合わせ、さまざまな場所の記憶を再構築する。そうして生まれるのは、現実のどこにも存在しない、想像上の海岸だ。

このアプローチの背景には、メンバーそれぞれの音楽的な来歴がある。Daidoはキューバのハバナ大学でコンガを学び、バンド名もコンガのリズムを口ずさんだときの声に由来する。細野晴臣の孫であるYutaは、10代の頃から電子音楽に惹かれ、ベースと三線を演奏する。作曲とアレンジはDaidoとYutaが担い、Soはミックスとマスタリングを担当。街中や車内で録音された音も、彼の手によって作品の中へ組み込まれている。

細野晴臣とのつながりは明らかだ。『トロピカル・ダンディー』や『泰安洋行』における想像上の南国から、YMOで展開した電子音楽まで、細野は一貫して、日本で作られた音によって遠い土地を立ち上げてきた。ファースト・アルバム『tradition』にも、トロピカルな音楽と電子音楽への関心が色濃く表れていた。

しかし、CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINは、そこから自分たち独自の方法論を発展させている。土の匂いを感じさせるパーカッションと電子音を組み合わせることで、伝統楽器を単純に機械へ置き換えるのではなく、電子音そのものによって新しい「場所の感覚」を発明しようとするのだ。それこそが『Synthetic 海岸』という作品の核にある。

合成された鳥の声、クジラの声、波、風。そこにあるのは自然の再現ではない。電子的に作られた音によって、音楽の中にしか存在しない海岸を作り出すことなのだ。

楽曲の中には、現実の土地から出発したものもある。「アダンの海辺」は、2023年にメンバーが訪れた奄美大島での体験と、田中一村の絵画を出発点としている。そこにサンプリング、記憶、電子的な音響処理を重ねることで、実際の体験は別の風景へと変換されていく。

その結果として現れるのは、特定の故郷を持たない、いわば「フォーク・ミュージック」だ。キューバのコンガ、沖縄や奄美の音、ラテン音楽、東京の街角で録音された音、さらには車内で生まれた音楽までが一つの場所へと集められ、不思議な親密さを持った音楽へと変わっていく。

『tradition』が彼らの音楽的なルーツを提示した作品だとすれば、『Synthetic 海岸』は、そのルーツをさらに遠くへ押し広げ、想像上の風景へと変えてみせたアルバムだ。

トロピカルな音の手触り、ポリリズム、ヴィンテージ感のあるラテン/カリブ系パーカッション、シンセサイザー、そして日常のフィールド・レコーディング。CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUINの音楽は、明るく、遊び心にあふれながら、どこか強烈に身体へ訴えかけてくる。そしてその音は、まだこの世界のどこにも存在しない「場所」を、私たちの想像の中に立ち上げていく。


  Maya Ongaku


July
  二兆円 YouTube
 
川辺素(Moto Kawabe ex.Mitsume)


June CHAPPO(シャッポ) YouTube

 TV Tairiku Ondo YouTube
 
民謡クルセイダーズ(Minyo Crusaders) YouTube

踊ってばかりの国(Oddotte Bakarino Kuni) YouTube

Trooper Salute  YouTube

睡眠船(Suiminsen)

君島大空(Osora Kimishima)

坂本美雨(Miu Sakamoto )


May 原口沙輔(Sasuke)

野口文(Bunn Noguchi)  YouTube


岩崎桃子(Momoko Iwasaki) YouTube

a子(Ako) YouTube


April

Togoz  YouTube

奇妙礼太郎(Reitaro Kimyo)
  真舟とわ(Towa Mahune) YouTube

有田咲花(Saki Arita)


March                          

んoon / YouTube

 R&B、ファンク、ジャズ、ボサノヴァ、クラシック、エレクトロニカなど、幅広い音楽ジャンルを取り入れ、んoonは独自のサウンドを確立。

 遠く離れた美しい記憶、多彩な音色。彼らは過去の音楽スタイルに縛られない。今、ここで奏でられる新しいサウンドがすべてだ。

 2ndアルバム『Zoo』には、楽曲「HITSUJI」が2つのバージョンで収録されている。エフェクトが施されヴェイパーウェイヴのよう。おそらく、都会の風景や、恋人と過ごした、失われた日々を歌ったものだろう。

 先日、フリージャズの巨匠、坂田明のライブを観に行った。「汽車の窓から見える風景だと思ってください。そのうち終わります。安心してください」。そう言って、彼は演奏を始めた。『SEE YA』のミュージックビデオを見ながら、そのことを思い出した。YouTubeという窓から見える野原や街並み――すべては時とともに過ぎ去っていく。囚われる必要はない。

 花々に溶け込むような、んoonのメンバーたち。高速で動き回り、残像が漂う。気分が高揚する。奇妙な感覚。


魚住英里奈 / YouTube


orlik / YouTube


Shiina Ringo / YouTube


February

Kururi / YouTube

 

UA / NEWME YouTube


January

ONI NO MIGIUDE / Voodoo in Magma  YouTube


KIRINJI / TOWN BEAT   YouTube

Kazumi Nikaido / Shiosai   YouTube


Shintaro Sakamoto / Yaa-hoo YouTube


「好きでやっているだけさ 特に意味なく」

「Why Do This」という曲で、坂本慎太郎はそう歌う。

 ソウル、ファンク、ラテン・ミュージック、古いロックンロール、昔の日本の歌謡曲。その全てを彼のフィルターを通して濾過する。生まれてきたのは純度の高い、スカスカな音楽。決して、でかい声ではない。最先端でもない。派手さは微塵もない。ただ、誠実さがある。

 「一生懸命取り組む。自分を見失わない。トランプ政権以降の世界で正気を保つ。」彼はミュージック・マガジン誌のインタビューで語っている。ジェームス・ブラウン・マナーの「麻痺 Numb」は、そういった世界の状況の中で踊り続ける私たちのためのファンクチューンだ。

 「Is There A Place For You There?」では、音の鳴る方向を見ましょう。実際に何が起きているのか、その目で見てみましょうと歌っている。誰が何をしたか覚えていよう、とも。

 どんな状況でも、私たちは私たちであるべきだ。変えてはいけないことを守らなくてはいけない。

 最終曲「Yoo-Hoo」で坂本慎太郎は私たち一人一人に呼びかける。

 君はどこにいるの? 私はここにいます。いつか会えるよね。